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「怪盗ディモンシェとモミの木の少女・解答編」
          エピローグ ~そして謎の真相へ~


* * * * *

封筒を開くと、突然あたりがきらめいた。
そのまばゆさに目を瞑ってしまう。
暫くしてゆっくり目を開けると、私は見知らぬ場所に立っていた。
眩しいばかりの月の明かり。
目の前には小高い丘とその頂上には一本のモミの木が見える。
そしてそこには、一人の少女が佇んでいた。
月明かりに照らされたその彼女は、深い緑色の帽子と服を着て、
モミの木に寄りかかりながら本を読んでいる。
しかし、少し離れているせいで表情などは見えない。
でも、どこかで彼女を見たことがある気がしていた。

私は手記を思い出し、もしやこれは…と、
少女に近づこうとしたが身体は動かない。
すると、あたりに声が響き渡った。
「こんな言葉を聞いたことある?」

あぁ、これはあの手記の状況を見せられているのかと、
その場に介入できないもどかしさを感じながら
ただ成り行きを見守ることしかできなかった。
概ね手記の通りの出来事が目の前に流れていた。

ただ、彼女が心を盗まれた瞬間、
モミの木にかぶるように広がった虹の美しさは、
幻とはいえ私の胸にも深く刺さった。
これが心の輝きなのかと、息をつくことすら忘れてしまうほどの、
その神々しいような、それでいて静かな煌めきに心を奪われていた。

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2013年12月
    談話室イベント
 「怪盗ディモンシェと
     モミの木の少女」

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