「怪盗ディモンシェと時ノ旅ビト・解答編」 ~プロローグ~
『キミのお手伝いをしてあげる、
歩香のゲストならいつものことだし、だいじょうぶさ』
『…』
『じつは、そろそろ謎解きあそびをしたいだけなんだけどね、エヘw
ま、ボクにまかせてよっアハハ♪』
3月、風があるとまだ寒さを感じる早春のある日のことだった。
ちょっとした小旅行に招待された。
行きつけの「茶荘 歩香」という店から「時渡りの汽車」なるものに乗って
ちょっとした「時間の小旅行」にいくというものらしい。
ま、ちょうど仕事も落ち着いてきたし、息抜きにいいかなと参加することにした。
オーナーさんたちとおしゃべりでもしていようと、かなり早めに店に到着したが、
すでに汽車は到着しており、店の横に停車している。
見た目 蒸気機関車で客車らしきものが1両ついているタイプだ。
その客車の中を覗くと、何人かの見知った顔が中でくつろいでいた。
私も早速ステップをのぼりその中に入る。
木製のドアを開けると、そこは客車というより寧ろ食堂車のようだった。
皆それぞれにテーブル席に座り、飲み物や軽食・デザートなど
用意されているものを好き好きに取り、談笑を交えながら口にしている。
私も適当に座り、出発の14時30分までにはまだ時間もあったので、
乗車の時にもらった運行ダイヤを見ながら、少しお腹を満たすことにした。
客車の壁にはモニターがあり、この汽車の名前が映し出されている。
合間にアナウンスも流れた。この汽車は循環線を利用した特別運行列車らしい。
《12時間CW循環線》ということは、12時間の時を時計回りに循環する汽車なのだろう。
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